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現代人は、森田療法の知恵になにを学ぶべきか 『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) | 書評 - 文藝春秋BOOKS
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現代人は、森田療法の知恵になにを学ぶべきか 『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) | 書評 - 文藝春秋BOOKS
『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) 職業柄、腰痛持ちである。もう十数年前になる... 『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) 職業柄、腰痛持ちである。もう十数年前になるが、ほかの人はどうしているのかという軽い好奇心で『椅子がこわい 私の腰痛放浪記』という本を読んだ。著者は『Wの悲劇』などのヒット作で知られる作家の夏樹静子で、のたうち回るような地獄の苦しみと、そこから抜け出して劇的に回復するまでの道のりを描いた闘病記だった。 椅子に座り続けて仕事をする者として、夏樹の経験は決して他人事ではなかった。夏樹と同様、私も整形外科や鍼灸や指圧に通い、プールで筋肉を鍛え、なんとしても治してやろうと必死になればなるほど痛みが増すという悪循環に陥っていた。それでもまだ、自分のほうがずいぶんましだと慰められるような想いで読み進め、中盤、夏樹に医師の診断が下ったところで絶句した。夏樹が苦しんでいた腰痛に器質的な問題はなく、心身症と呼ばれる心因性のもの、すなわちメンタルが原因だっ