大人の遊びを知り尽くした伝説の編集者・島地勝彦が、ゲストとともに“男の遊び”について語り合う「遊戯三昧」。今回は、1999年に25歳で7大陸最高峰最年少登頂記録を樹立したアルピニスト、野口健さんをお迎えした。世界的登山家は何をきっかけに山を目指したのか――。 前編【エベレスト登頂後の「拉致監禁生活」】 自宅謹慎中、父の薦めで一人旅に 島地: 有名な話ですが、イギリスの登山家マロリーは「なぜエベレストに登りたいのか?」と問われて、「Because it's there」「そこにエベレストがあるから」と答えました。野口の場合はどうだったんでしょう。 野口: そんなにかっこいいものではなく、ほぼ成り行きに近いですね。 父親が外交官だったんで、生まれはアメリカですが、生後半年でサウジアラビアに移住しました。一旦日本に帰って、またエジプトへ行き、そこからイギリスへ。高校はイギリスの全寮制高校でしたが