完全で、欠けている点がまったくないこと。 [使用例] この通俗的な抒情画を、更に、完璧なものにしていました[田中英光*オリンポスの果実|1940] [使用例] その言葉は全く意味不明だった。日本語を完璧に話せるはずの父でさえ、一言も理解できなかった[島田雅彦*彗星の住人|2000] [由来] 「史記―藺りん相しょう如じょ伝」に見える話を背景とすることば。「璧へき」とは、中国で昔から尊ばれている、翡ひ翠すいなどの宝石。紀元前三世紀、中国の戦国時代のこと。趙ちょうという国の王は、「和か氏しの璧」と呼ばれる有名な宝石を手に入れました。ところが、強国の秦しんから、その璧を一五の城と交換したい、と申し入れがありました。しかし、秦は武力を頼みに、璧だけ奪って城を与えるつもりがないと見抜いた趙では、対応に苦慮します。そこに名乗り出たのが、剛胆な家臣の藺相如。王は彼に璧を持たせて、使いに出しました。藺相如