「消費は美徳」という言葉が使われたのは、昭和30年代以降の高度成長時代のことです。私たち日本人は、戦後の経済発展の中で、いつの間にか、大量に消費して大量に捨てることが当たり前、豊かさの証拠でもあるかのように考え始めました。 豊島問題は、そうした社会がもたらした戦後最大級の不法投棄事件と言われています。そして、この問題は、あまり重要視されてこなかった廃棄物の問題を、一気に我が国最優先の環境問題にクローズアップさせ、廃棄物政策の見直しを行う引き金となった問題でもあります。 豊島に不法投棄された廃棄物の処理は、国の公害等調整委員会の調停に基づき、香川県が実施することになりましたが、この問題は、国家レベルの課題である「持続可能な社会の構築」、特に資源循環型社会形成に向けた取り組みとして、すべての人に、企業・消費者・行政関係者といったそれぞれの立場で考えていただきたいと思います。