第55回 ワシントンDC素描(1)−リボルビング・ドア アメリカシリーズを連載していますが、経済の話ばかりでは飽きるでしょうから、今回から2回に分けて、観光客には見えないワシントンDCの裏の姿をご紹介します。ワシントンDCでは、大きな建物というと殆ど議会か政府機関で、それ以外では大学とシンクタンクが目立つ程度で、民間企業の大きな建物は見あたりません。民間オフィスビルはもちろんあるのですが、入っている顔ぶれを見ると、業界団体、法律事務所、コンサルティング・ファームばかりです。IBMやゼロックスなど著名な企業の名前を見かけても、政府渉外(Government Affairs)担当副社長がヘッドの事務所で、営業支社とは異なります。つまり何らかの形で連邦議会や政府機関に係わっている人たちばかりなのです。日本に例えれば、永田町、霞ヶ関、虎ノ門だけで街が形成されているわけです。それでもワシントンDCが