金融庁によると、全国の地方銀行109行の09年4〜6月期決算が出そろい、8行が純損益で赤字となった。赤字行は09年3月期の55行と比べ減少したが、地域経済は依然として厳しく、不良債権処理費用が膨らんだ地銀もある。 株価が3月末より上昇したため、保有する有価証券の評価損が減少し、黒字転換する地銀が増えた。一方で貸出先である地方の中小企業の業績は低迷し、地価も下落に歯止めがかからず、大手行に比べて経営状況の改善に遅れが出ている。赤字が続けば財務の健全性が悪化し、貸し出し余力が低下する可能性もある。 金融庁の三国谷勝範長官は17日の会見で「中小企業が期待する金融仲介機能を果たすために、公的資金の活用も積極的に検討していただきたい」と話し、改正金融機能強化法の利用を促していく方針だ。