photo by Sebastiao Salgado セバスチャン・サルガドは、今日の写真家のなかで、もっとも偉大な写真家の一人として位置づけられる。 写真作品の優劣は、見る人の好みの問題だと言う人もいるが、そういう趣味的なレベルのことではなく、長年にわたって世界の一流の写真家たちに影響を与えていることや、その活動への注目度ということにおいて、サルガドは際だった存在であることは間違いないだろう。 以前、編集部に写真の売り込みにやってきた女性が、編集部に飾ってあるサルガドのポスターを見るなり、「最初に申し上げますが、私とサルガドは、種類の違う写真家です」と言った。 サルガドの横には石元泰博さんのポスターがあり、他にも錚々たる写真家の写真が並んでいるので、「実力」の違いではなく、「種類」の違いだと布石を打っておきたかったのだろう。それだけ、サルガドは好きで嫌いであれ、写真家にとって、意識