科学は科学であり、技術に従属しているものではない ――オートファジーの異常は、神経変性疾患やがんなどの疾患を引き起こすとされ、その治療や予防といったところへの応用が期待されており、今回の国際ポール・ヤンセン生物医学研究賞の受賞につながったと思います。しかし、大隅先生は、一貫して基礎科学の部分を重要視されて研究を行われてきたような印象を受けます。昨今の日本においては、科学に対して短期的な成果を求められる風潮があるように思いますが、この点についてはどうお考えですか。 私自身は良い薬を創ったわけでもないし、直接的に社会貢献をしたわけではないので、こういうベーシックな研究を評価してくださり、賞をいただけたということは、とてもありがたいことだと思っています。 我々の時代は、国が基礎科学を支えるものだと信じてきたし、産学協同というのが良くないものだという雰囲気がずっとありました。しかし、社会がこれだけ
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