コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだ本の感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 書店で手にとってあまりの薄さに、まさかとは思ったけれども目次を見たら「タイムマシン」しか収録されていなかった。 もっとも小説は「タイムマシン」しか収録されていないけれども、ウェルズによる補遺、これは1931年版の序にあたる文章、そしてマリナ・ウォーナーによる補説、パトリック・パリンダーのH・G・ウェルズ小伝、巽孝之の解説、ウェルズ年譜、訳者あとがきと、タイムマシン三昧といった内容で、おまけの部分の方が本文よりも読みがいがある。 ウェルズは実は、『宇宙戦争』しか読んだことがなく、「タイムマシン」を読むのはこれが初めて。とはいうものの、映画