「被害が大きいとは聞いていたが、実際に現地を見ると、これはひどいなと思った」。屋根が壊れ、ブルーシートが張られた住宅が並ぶ房総半島南部の鋸南(きょなん)町。千葉県の森田健作知事は20日、甚大な被害を受けたこの町を台風上陸後に初めて訪れた。被災地の視察は14日に続き2回目。同行した白石治和(はるかず)町長は、シートを屋根に張るための作業員の確保を知事に求めた。 県が被災状況を確認するために職員を現地に派遣したのは12日午後5時半。台風上陸から3日後で腰の重さが目立った。市町村による住宅被害調査をサポートする職員の派遣も16日だった。被害状況の把握が遅れ、全容は今も分からないまま。県は9日以降、市町村からの報告を基に建物被害の棟数を発表しているが、多くの住宅が損壊している館山市の被害は15棟にとどまるなど実態とかけ離れている。被害規模が正確に分からなけれ…