やや地味な印象のあるテープ・ストレージだが,技術革新のスピードはハードディスク・ドライブ(HDD)を上回る面もある。一方,HDDの容量単価が下がってきた影響を受け,これまでテープの独壇場だった分野でHDDを使う動きもある。こうした現状を踏まえ,テープの利用法を正しく理解するために,その基礎と最新のスペックをひも解いてみよう。なお,本講座は2006年に公開した「【初級】知っておきたいストレージの基礎」を基に,2009年の状況に合わせて加筆・修正した改訂版である。 吉岡 雄 日本クアンタム ストレージ 企業が保有する全ストレージ領域の70~80%を占めているのは,アクセスが非常に少なくなったデータである---。本連載の『急上昇する記憶容量,進化するストレージ(後編)』で解説したように,データのライフサイクルに合わせて,利用するストレージを最適化する必要がある。ILM(Information L