ハナ、10歳の誕生日プレゼント 子どもたちの夏休みも、あっという間に1週間が過ぎました。 「ただいま~!」 学校のプールからハナが帰ってきました。リビングでは、弟のソラがブロックあそびをしています。台所で昼食をつくっているお母さんが「おかえり」と返事するよりはやく、ハナは水着やバスタオルの入ったビニール袋をソファの上に放り投げ、冷蔵庫へ。よっぽどのどが乾いていたのでしょう。お母さんの手づくりのレモネードをコップに注ぎ、一気に飲み干しました。 「先に手を洗いなさい、ハナ」 お母さんはカウンターテーブルの向こうからハナに注意しましたが、ハナはソファの横に置かれた大きなダンボール箱に気を取られて聞こえなかったようです。ダンボール箱の表面にはアルファベットで何か書かれていますが、ハナには読めません。どうやら、海外から届いた荷物みたいなのですが……。 「ねぇ、お母さん。これ、なに? お父さんから?」