●最初に目標となるプロトムービーを作る ラスベガスで開催されている開発者向けの講演会、D.I.C.Eサミット2006。最終日の2月10日(現地時間)のトリを務めたのは、『ICO』や『ワンダと巨像』でおなじみの上田文人氏と海道賢仁氏(両名ともソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン)。ほかのゲームにはない独特の世界を持つその作品は、日本はもちろん、海外でも高い評価を受けているが、今回の講演では作品を作り上げるうえでの独特の手法が明らかになった。 この講演のみスピーカーが一方的に話す講演形式ではなく、司会の質問に両氏が応えるインタビュー形式で行われた。以下、そのやりとりをお届けする。 -『ワンダと巨像』での上田さんと海道さんの役割は? 上田文人氏(以下、上田) ボクはリードデザイナーとゲームデザイナー、アートディレクターをやりました。 海道賢仁氏(以下、海道) プロデューサーとしてチーム