東海地方のアパートの1室で、70代の男性が遺体で見つかった。 和室の布団の上で死後半年が経っていた。一見「孤独死」と思える状況。 しかし、和室から扉を隔ててわずか数メートルの部屋には息子が暮らしていたのだった。 親が亡くなっていることに、同居する子どもが気づかない。 “同居孤独死”とも言える信じられないことが起きていた。 親子に何があったのか。私たちは取材を始めた。 (名古屋放送局記者 大石真由) 東海地方では去年の夏、親の遺体を放置したとして、同居する息子や娘が逮捕されたケースがわずか1週間の間で立て続けに3件も起きた。 耳を疑うような事件だったが、NHKの各放送局が去年9月までの1年間に出稿した原稿を検索してみると、同様のケースは25件もあった。 「同居する親の遺体をなぜ放っておけるのか」 強い憤りを感じながら、私は後輩記者と一緒に、事件を1つ1つ調べることにした。 私が取材を担当した