ある土曜日の昼下がりに「トリッパが食いてえ」となったので、じゃあ自作するか、と住んでいる町の肉屋をはしごした。しかし、まったく手に入らなかったので渋々近所のスーパーでミックスホルモンを買って、妥協の産物としてのモツとスジ肉のトマト煮込みを作った。トリッパと俺の関係といえば都会の、それもこっぱずかしい名前の肉バル店を避けて語ることはできない。おのれ肉バル、トリッパを白ご飯にぶっかけて食べたいのにメニューにライスはなかった、肉バルである以上肉を食えということだな! 敵ながらあっぱれ。 出張の疲れを癒しに夜な夜な飲みに出かけていた。一回など飲みの方を頑張りすぎて次の日昼まで全員動けなくなったこともある。上長もグロッキーだったのでむろんおとがめはなかった。ここ数年は件の疫病のせいで出張してもそういう機会は減っている。思えばあの頃のメンバーもだいぶ人数が欠けてしまった。ちなみに肉バルはないが普通にイ