ブックマーク / note.kishidanami.com (6)

  • 家を出るダウン症の弟にはなむけをしたら、えらいことになった(総集編)|岸田奈美|NamiKishida

    キナリ★マガジンで5ヶ月間、10万文字にわたって連載してきた「姉のはなむけ日記」を、9000文字にギュッとして書いた総集編です。全文、無料で読めます。 ゾッとした。 この二年間で、ばあちゃんは認知症になって施設で暮らしはじめ、車いすに乗っている母は心内膜炎で死にかけ、わたしは会社をやめて作家業についた。 ダウン症で4歳下の弟だけは、実家で暮らし、福祉作業所へ通って手仕事をし、マイペースを貫いていた。 ふと立ち止まって、ゾッとしたのは。 この先、わたしや母の身になにかあれば、弟がひとりぼっちになるということ。 わたしですら、ばあちゃんの介護がはじまったとき、役所で福祉の手続きをしたらあまりに面倒でややこしく、泡吹いて倒れそうになったのだ。 障害があってうまく話せない弟は、ちゃんと頼れるんだろうか。 いざというときに頼れる先は、多いほうがいい。弟は26歳。いい人間関係ををつくるには時間がいるの

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    brows 2022/09/12
  • 心が骨折したので、どすこいしんどみ日記|岸田奈美|NamiKishida

    最近どうしてる?からはじまったはずの会話が、思わぬところに着地した。 「それ、うつの症状が出始めてると思うよ」 長くカウンセリングをしている知人に言われ、わたしはマヌケ顔でこう思った。 そんなはずなかろう。 うつ病ってのはあれ、もっと大変で、もっと深刻な状況のことを言うんでしょ。だいたい“病”って名前までつくんだもの。 病ったらあれでしょ、元気じゃなくてぐったりしてるんでしょ。 元気なんだもの。 そう、どえらい元気なのだ。 昼までぐっすり寝てるし、ご飯つくってるし、仕事も夜にピャーッとnoteを書いて、週に2、3度ほかの取材やなんやらが入るくらい。 「おっ、なんや!かなり余裕あるやん!」 それで、空いた時間は旅行ついでに、いろんな都道府県での自主サイン会を開催したり、東京で仕事する日を増やしたりしたのは、わたしである。 楽しい。 たぶん人生で今が一番楽しいと、胸をドドンと張って言える。ブラ

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    brows 2021/12/20
  • 弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida

    岸田家の歴史を揺るがす大事件が起きた。 わが弟が、莫大なお金を稼いだのである。 大金とは、彼が三十年働いて手にするはずの金額だ。 それを数時間で。 田舎の片隅にある剥がれたフローリングの我が家から、絶世の富豪が爆誕した。血統書のない梅吉(犬)も、高貴なチャウチャウに見えてくる。 弟は生まれつきダウン症なので、障害のある人が集まる福祉作業所で、平日の朝から夕方まで働いており、日給は500円だけど昼が450円なので、手取りは50円だということは、一旦、横に置いておく。 富豪が爆誕したのだ。 (※賃金は弟の障害の程度、作業所が受注できる業務の量、通っている人数などの兼ね合いがあり、弟も働くというよりは、みんなで喋ったり、散歩したりすることをなによりの目的にして通ってるので、ゆるく受け入れてくださる福祉作業所のみなさまにとても感謝しています) さて、その気になる稼ぎ方であるが。 手書きカレンダー

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    brows 2021/10/20
  • 伊丹空港へ飛ぶはずが|岸田奈美|NamiKishida

    仕事で札幌へ行く用事ができたので、いま空港にいる。 京都からだと、伊丹空港までリムジンバスで一時間。関西空港までだと十五分ほど遠くなるし運賃も倍になるけど、こっちの方が航空チケットが安かったので、関西空港を選んだ。 空港までのリムジンバス乗り場は、京都駅の八条口にある。 八条口といっても、タクシーのロータリーから遠い位置にあるので、市街からタクシーで行く人は「八条口まで」じゃなくて「アバンティ前まで」って伝えた方がおすすめ!わたしみたいに時間ギリギリになって、息を切らして駆け抜けた道を振り返りたくなければな! 空港までの道のりをゆっくり歩けた記憶がないので、いつもどっかでキャリーバッグを死体のように引きずって走っている。心斎橋筋商店街の店先でチェーンに繋がれて投げ売りされてる安いやつだと一瞬でコロコロがお陀仏になったし、なにより空の状態でも重いので、わたしの持ち物のなかでもキャリーケースは

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    brows 2021/10/12
  • のぞみN700系11号車には、なぜ13列と12列だけB席がないのか|岸田奈美|NamiKishida

    その謎を確かめるために、探検隊はジャングルの奥地へ向かうこともなく、普通に出張を終えて品川駅から京都駅に戻るのでのぞみに乗った! 新幹線のぞみ号N700系の11号車についていま、日でもっとも利用者数が多い新幹線は、博多から東京までを結ぶ、東海道新幹線 のぞみ号らしい。さもありなん。 300系、500系、700系、N700系と改良を重ねるたびにどんどん速くなっていて、この夏ついにN700S系という新型が登場した。どんだけ進化するのか。 んで、いま一番運行数が多く、かつ、岸田家が利用するのはN700系である。 座席数は、1323席。 大学時代の友人いわく岸和田のだんじりはだいたい40人でかつぐというので、33組ものだんじり衆が一斉に乗り込んでもまだ空席がある。 普通車は1列につき3席+2席、グリーン車は2席+2席の配置だけど、実は、11号車だけが少し変わっている。 11号車の最後尾13列目

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    brows 2021/07/07
  • [跡地]24時間で消えるnote〜一世一代の大告白を受けた〜|岸田奈美|NamiKishida

    一世一代の、大告白を受けた。 彼は、愛すべきバカの友人の紹介で知りあった、愛すべきアホだった。底抜けにアホで、底抜けにお人よしだった。 いつも良いことがあったみたいに微笑んでいて、箸が転がっても楽しそうで、だれかの良いところを褒めることが大好きで、褒められたらわんわん泣いて、飲み会で輪にはいれていない人に一番に声をかけ、信号の点滅する交差点でおばあさんがゆっくり歩いていたら自分の荷物がペシャンコになろうとも放り出して一目散に駆け寄る人だ。たまに大きな犬に見えるときがある。 だけど悲壮感に満ちたおもしろい失敗や事件に巻き込まれてしまう引力はわたし以上で、いつも「なんでこんなことに」と半泣きになりながら、不運に揉まれるアホの彼が書く文章は、ちょっと息を飲んでしまうくらい上手だった。彼はわたしと同じ作家だった。書き残す言葉でだれかの呪いを解ける、尊い人だと思った。 友人として、作家仲間として、ア

    [跡地]24時間で消えるnote〜一世一代の大告白を受けた〜|岸田奈美|NamiKishida
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    brows 2020/07/28
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