3月11日の東日本大震災発生から8月末までに、福島第一原子力発電所の20キロ圏内で確認された侵入盗被害が、前年同期の27倍の722件に上ったことが、警察庁のまとめで分かった。 大半は「警戒区域」として立ち入り禁止になった4月下旬より前の発生とみられ、一時帰宅で被害が明らかになった形だ。 同庁が9日に発表した震災から約半年間の警察活動と治安の状況によると、岩手、宮城両県では刑法犯は前年より14~16%減少。福島県も19%減だが侵入窃盗だけが5割増で、大半は20キロ圏内での空き巣などの侵入盗被害だった。 同庁では、「20キロ圏の住民の一時帰宅はほぼ一巡しており、今後、大幅に被害が増えることはない」と分析している。