八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の本体工事経費が来年度予算案に計上されることになった。政権交代によって凍結された本体工事は、建設再開に向けて動き出す。 公共事業に組み込まれた利権の構図を解体するというのは、国民が民主党に期待したことだった。その象徴が八ッ場ダムだったはずだ。政権交代を訴えて掲げた旗を民主党は降ろすことにならないか。 人口の減少に伴い水需要は増えない。水害対策の面でもダム以外の選択肢もあるのではないか。そうした問題意識から、いったん始まると工事費が膨らんでいくダム建設に対し民主党は見直すことを公約した。 そして政権交代が実現し、国土交通相に就任した前原誠司氏は、八ッ場ダムの本体工事の建設中止を表明した。 八ッ場ダムの建設には当初、住民の多くが反対だった。しかし、代替地転居を受け入れ、道路の付け替えなど周辺整備を行い、本体工事の事業執行を待つばかりとなっていた。そのため前原氏の中