体調が思わしくなく、いつXデーをむかえてもおかしくない状況ゆえに、権力継承のための準備に急き立てられていた感のあるキム・ジョンイル朝鮮労働党総書記(総秘書)が死去したとの報が、世界中をかけめぐった。 一応、去年開催された朝鮮労働党代表者会にて、三男のキム・ジョンウンが、事実上の後継者として承認された格好になっているものの、その実態は実際の権力掌握とは程遠く、軍高級幹部の一部とキム・ギョンヒ、チャン・ソンテク夫妻ら親族に支えられた不安定な体制として出発していくほかない。ゆえに、権力基盤の脆弱さから、かえって強硬路線を突き進む可能性も大いに考えられる。 顧みるに、「建国の父」キム・イルソン主席からその長男たるキム・ジョンイル総書記への権力継承は、以前にも記した通り、すんなりと運ばれたわけではなかった。 万景台革命学院や金日成総合大学政治経済学部の同窓生などを中心とした人脈を頼りに、例えば「三大