イタリアの生んだ世紀の物理学者にエンリコ・フェルミという人がいます。この人は放射性元素の発見で1938年のノーベル賞を受賞、妻がユダヤ人であったためムッソリーニの弾圧から逃れてアメリカに亡命し、赴任先のシカゴ大学で世界最初の原子炉「シカゴ・パイル1号」を完成させ原子核分裂の連鎖反応の制御に史上初めて成功させたという人物でもあります。 数年間に渡ってシカゴ大学と拘わりを持った事がきっかけとなって、私はこの物理学者の存在や彼と放射線、そして原子爆弾との繋がりについてを知るに至ったわけですが、実は今年の夏に日本に帰国した折に宮崎駿監督の「風立ちぬ」を見ている間中思い出していたのが、このフェルミという人物でした。 方や飛行機のエンジニア、もう一人は物理学者ですから一件なんの拘わりもないように見えますが、お互いただ大好きで突き進めていた開発や研究(まあフェルミの場合は見付け出してしまった物が破格にと