記事:明石書店 『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】――恐怖をあおる政治を暴く』(明石書店) 書籍情報はこちら ヨーロッパにおける極右ポピュリズムの伸張 ヨーロッパにおいて極右ポピュリズムの躍進が続いている。 2022年9月、高福祉国家として知られるスウェーデンの総選挙で、多文化主義反対を唱えるスウェーデン民主党が第二党へと躍進を果たした。初の国政進出からわずか12年で、閣外協力とはいえ政権を担うまでの存在となった。その2週間後に実施されたイタリア総選挙でも、ネオ・ファシズム政党として知られたイタリア社会運動の流れをくむ政党であるイタリアの同胞が勝利した。党首のジョルジャ・メローニがイタリア初の女性首相に就任し、主要7カ国で初の極右政権の誕生と話題をさらった。 また、これらの選挙に先立つ4月にも、フランス大統領選挙で、国民連合(旧国民戦線)のマリーヌ・ル・ペンが決選投票でエマニュエル