安倍首相と今井経団連名誉会長 (c)朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 「週刊朝日」6月23日号で、加計学園問題以外でも、官邸による天下り問題の“隠ぺい”などがあったことを明かした前川喜平・前文科事務次官。安倍首相肝いりの『明治日本の産業革命遺産』でも首相補佐官によるゴリ押しの“人事介入”があったというのだ。 前川氏の証言によれば、官邸による強権的な支配は文科省が所管する審議会の委員の人選などにも及んでいた。まず、安倍晋三首相の肝いりで推進され、2015年7月に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」(以下、産業遺産)をめぐり、昨年ひと悶着があったという。 産業遺産とは、それまで日本で前例がなかった、長崎県の端島(軍艦島)や福岡県の官営八幡製鉄所(現・新日鉄住金)、三菱長崎造船所、山口県の松下村塾、萩反射炉など幕末から明治までの日本の近代化に係る8県23資産にまたがる遺産群だ。 世