知られざるライバル―鏑木清方(かぶらき・きよかた)と鰭崎英朋(ひれざき・えいほう) 2019年、「築地明石町」が再発見されたことが話題となった鏑木清方(1878~1972)。日本画家として今でも広く知られていますが、明治30年代後半から大正5年頃にかけては、文芸雑誌や小説の単行本の口絵というジャンルで活躍していました。その時、清方と人気の双璧をなしていたのが、鰭崎英朋(1881~1968)です。清方と英朋は、月岡芳年の系譜に連なると共に、烏合会という美術団体に属した友人同士でもありました。清方と英朋による、明治の美しい女性たちを描いた口絵の名品を紹介します。