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ブックマーク / kimihikohiraoka.hatenablog.com (3)

  • 『悪の華』の謎を解く1――「アヴェ・マリア」と「祝福」 - 平岡公彦のボードレール翻訳ノート

    シャルル・ボードレールの韻文詩集『悪の華』は、ニーチェの『ツァラトゥストラ』と同じく、キリスト教の『聖書』の知識がないと、なにが書かれているかを充分に読み説くことが難しい書物である。 韻 文 訳 悪 の 華 シャルル・ボードレール 平岡公彦訳 トップページ 聖書の物語は、欧米のキリスト教文化圏の人々にとっては一般教養というよりも常識と呼ぶのがふさわしい知識だろう。私たち非キリスト教国の国民でも、「創世記」におけるアダムとイブの物語や、『新約聖書』におけるイエスの誕生からゴルゴダの丘での刑死にいたる神話の大筋くらいはだれでも知っているはずだ。これまでの『悪の華』の解説も、読者も聖書の物語の大筋は知っているという前提で書いている。 『新約聖書』をもとにした作品として、ここまでの『悪の華』の詩作品のなかでいちばんわかりやすいのは、「祝福」の詩人の母親による神への呪詛だろう。 至高なる者の力能の命

    『悪の華』の謎を解く1――「アヴェ・マリア」と「祝福」 - 平岡公彦のボードレール翻訳ノート
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/02/06
    「アヴェ・マリア」のパロディー/「諧謔の精神」、生真面目におふざけ
  • ボードレールと三島由紀夫――三島由紀夫『潮騒』について - 平岡公彦のボードレール翻訳ノート

    前回韻文訳を公開した、シャルル・ボードレールの『悪の華』の5番めに収録されている無題詩は、三島由紀夫にとっての『潮騒』(1954年)のような作品だったのではないかと私は考えている。 潮騒 (新潮文庫) 作者:三島 由紀夫新潮社Amazon 三島由紀夫も、代表作である『仮面の告白』(1949年)や『金閣寺』(1956年)がまさにそうであったように、々とした内面の苦悩を描くイメージの強い作家だ。その三島が遺した膨大な作品のなかで、唯一の純愛小説と言われているのが、離島で暮らす漁師の少年、新治と、島の外から帰ってきた海女の少女、初江の恋を描いた『潮騒』である。 三島が人生初のギリシャ旅行の「昂奮のつづきに書いた」*1という『潮騒』の舞台である歌島は、三重県の伊勢湾にある神島がモデルであることは有名な話だが、実は歌島にはもう一つモデルとなった島が存在するのだ。それは、三島がこの小説の原型とした古

    ボードレールと三島由紀夫――三島由紀夫『潮騒』について - 平岡公彦のボードレール翻訳ノート
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/05/31
    古代ギリシアと三島
  • どの翻訳を選ぶか――ボードレール『悪の華』の邦訳の誤訳について - 平岡公彦のボードレール翻訳ノート

    今年アニメ化された押見修造の『惡の華』(講談社コミックス)のおかげで、ボードレールの『悪の華』にふたたび注目が集まっているようだ。訳者の一人として、喜ばしく思う。 惡の華(1) (少年マガジンKC) 作者:押見 修造講談社Amazon 押見の『惡の華』は読んでいたが、私自身、しばらくボードレールから遠ざかっていたし、そもそも読んだことを公言することがはばかられるようなマンガだということもあり(笑)、なかなかそのことを書く機会がなかった。これだけ大きくボードレールを看板に掲げた作品なのだから、おそらく私以外のボードレールの訳者や研究者も一巻くらいは読んでいるのではないか。 いい機会なのでこのマンガの感想を書いておこう。ボードレールの『惡の華』を愛読する主人公の春日高男は、ある日、想いを寄せていたクラスメイトの佐伯奈々子の体操着を盗む。春日はそれを見ていたクラスの嫌われ者の仲村佐和に脅迫され、

    どの翻訳を選ぶか――ボードレール『悪の華』の邦訳の誤訳について - 平岡公彦のボードレール翻訳ノート
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2016/10/20
    『悪の華』の誤訳。とくに新潮の堀口訳はダメ、読むならマシなちくまの阿部訳で、と/それにしても大江の『性的人間』の表紙は、何度見ても嫌になるな…
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