自動車メーカーが、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の内製化にかじを切る。先頭を走る米テスラをトヨタ自動車が追いかけ、電池メーカーに傾く力関係を引き戻す。今後縮小するエンジンの雇用を守る布石とも位置付ける。混沌とするEV向け電池開発の行方を見通す。「パナソニック離れ」の真意「今後は電池がエンジンの代わりになる。エンジンの雇用をどう電池で吸収するのかなど、いろいろ考えた結果だろう」(トヨ
リチウム(Li)の市場価格が高騰する中、Li以外の電池内キャリアを使うさまざまな蓄電池技術の開発が急速に進んでいる。既にナトリウム(Na)イオン2次電池は量産が始まりつつあり、亜鉛(Zn)や鉄(Fe)を使う技術がそれを追う。これまでやっかいものだった二酸化炭素(CO2)をエネルギー媒体とする技術も登場。さらには、Liイオン2次電池(LIB)の数倍から10倍といった超高エネルギー密度を実現する技術の実用化も見えてきた。 この約20年間、リチウム(Li)イオン2次電池(LIB)は蓄電池の代名詞に近かった。だが、2021年半ば以降、急速に“脱リチウム”の動きが顕在化している。表面に見えているのは量産化が始まりつつあるナトリウム(Na)イオン2次電池(NIB)、そして亜鉛(Zn)や鉄(Fe)を使う電池である。さらに水面下では炭素(C)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)
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