経済安全保障の観点から、世界では重要物資を囲い込む動きが加速する。その大きな火種の一つが、電気自動車(EV)の最重要部品である「電池」だ。中国が席巻するリチウムイオン電池市場の現状に危機感を募らせる米国。2022年に成立したインフレ抑制法(IRA)で関連産業の自国投資を促す。米中のデカップリング(分断)が進み、日本企業も「踏み絵」を迫られている。かつてリチウムイオン電池を世に送り出した日本だが、今や見る影もない。日本の電池産業は再び世界をリードするゲームチェンジャーになれるのか。(写真=侍:Nerthuz/Getty Images、電池:Aurelian Popescu / 500px /Getty Images)