リチウムイオン電池を超える次世代電池として期待される全固体リチウムイオン電池(全固体電池)の研究で進展がありました。電池の要となる「固体電解質」の性能が大きく上がったのです。さらに、高性能の電池が簡単な工程で作れる可能性も示されました。大きな電力を蓄えたり大電流を出したりできるようになると期待されます。東京工業大と東京大、高エネルギー加速器研究機構の研究チームの成果です。米科学誌サイエンスに発表しました。 (永井理) 電池は新しいようでとても古い技術です。200年以上前に発明されたころから、基本的に形を変えていません。正極と負極という2本の電極が液体(電解液)に浸された形です。 全固体電池はその歴史を破る技術です。二つの電極の間に、液体ではなく、固体電解質と呼ばれる材料が挟まった構造です。充電するときは、リチウムイオンが固体電解質を通り抜けて正極から負極に移動してエネルギーをため、放電のと