<見えない壁~福島・被災者と避難者~> (福島中央テレビ) 同じ福島の人々なのに「原発避難者」と「津波被災者」が対立 地元局だから追跡できた良質なドキュメンタリー 一か月すると、東日本大震災から丸7年が経つ。災害の瞬間や被害状況を振り返る初動報道は年に一度、3月11日前後に報じられるにとどまるようになり、仮設住宅・高台移転・除染土の運搬先などの周辺の話題は、日常のトピックの中で徐々に薄れていく。「そういえば、あの問題はどうなったのか?」。その問いに応えることができる人が、あまりに少ない。 一本の道路を隔てる「市営住宅」と「県営住宅」 だからこそ、当事者の憤り、閉塞感、取り残された思いが強まる。震災が物理的に与えた被害の先の諸問題、例えば補償、例えば待遇の違いで分断された人々は、外から見ただけでは違いが分かりにくい。内に秘めた不満があっても、表に出てその気持ちを口に出すには勇気がいる。今度は