『前夜NEWSLETTER』Vol.4, 2008.5.3(編集・発行特定非営利活動法人前夜)掲載 発行元の「前夜」と座談会参加者様のご厚意により転載いたします。 ■目次 『和解のために』をめぐる政治状況 非歴史的アプローチ 日本批判がむずかしいという現実 日本の知識人の問題 批判を封じ込める水路 国家的責任を問う意味 「和解」は可能なのか? ナショナリズムの今日的特徴 二〇〇六年に刊行された朴裕河『和解のために 教科書・慰安婦・靖国・独島』が、再び話題となっている。朝日新聞社が主催する第七回大佛次郎論壇賞を受賞し、いわゆる「リベラル」な知識人から絶賛の声が寄せられているのである。問題点も多い『和解のために』が、なぜこれほどまでに賞讃されるのか。日本の言説状況をよくあらわすこの現象について、高和政・鄭栄桓・中西新太郎の三者で討議を行なった。 * * * 高和政 二〇〇六年の終わりに日本で翻