「リスク」とは、避けるべき対象であるとともに、取りにいくべき対象にもなる。損失の危険は大きいけれども、大きな利益を期待できる状況は「ハイリスク・ハイリターン」という。そして、危険を承知で行動することを「リスクテイク」という。 リスクテイクして利益を得ようとするとき、課題になるのは「本当にそのリスクテイクは大きな利益をもたらすものか」ということだ。定石と思われているようなリスクテイクの方法が、じつは大して利益を期待できないものだったといったような、常識の計算の間の齟齬も潜んでいるかもしれない。 こうしたことを考えるうえで好材料になるのが、野球だろう。野球には、常に「無死1塁」や「二死満塁」といった“局面”がある。そこでどんなリスクテイクをとるかによって、また別の局面を迎える。局面ごとの結果をデータに蓄積していけば、各種のリスクテイクに対して実際どのくらい利益を得られるものなのか、その傾向が見