17日午前9時ごろ、高知市曙町2丁目の「とさでん交通」伊野線朝倉-朝倉駅前の単線区間で、伊野行き下り路面電車(1両編成)が必要な手続きを踏まずに進入した。運転士が対向車両に気付き、電車は車間約60メートルの地点で停止した。乗客約70人にけがはなかった。 国の運輸安全委員会は、深刻な事態につながりかねない「重大インシデント」と認定し、調査官2人を現地に派遣した。 国土交通省ととさでん交通によると、路面電車が単線区間に進入するためには、「通票」と呼ばれる小さな円盤を対向の運転士から受け取る必要がある。朝倉駅前停留場に向かう下り電車の運転士が、行き違いをする朝倉停留場で受け取るのを忘れ、そのまま出発した。運転士はすぐ通票がないことに気付き、減速したという。 とさでん交通は「事態をきちんと調査し対策を立てたい」としている。