【ロンドン=木村正人】「氷河特急」脱線事故で、地元警察や連邦政府の鉄道・船舶事故調査委員会は、現場検証を行うなど慎重に事故原因の解明を進めている。 氷河特急を運行する鉄道会社は24日の記者会見で事故の全責任を認めた上で、事故原因について「軌道、車両、人為面の3つの要因が複合して起きた可能性がある」との見解を示した。 現場はアルプスの山岳リゾートが点在するスイス南部フィーシュとラックスの中間地点。緩やかな上りの左カーブになっており、車窓から壮大なパノラマが広がる人気スポットだ。氷河特急は乗客が眺望を楽しめるよう時速30キロ以上で走行することはなく、世界で最も遅くて安全な特急列車といわれている。 現地からの報道では、事故の1〜3週間前、現場周辺では敷石の整備工事や、暑さによるゆがみを防ぐためレールの取り換え工事が行われていたが、これまでの現場検証で線路の異常は確認されていない。 連日の猛暑でレ