私鉄で国内最古の現役駅舎とされる南海本線浜寺公園駅(堺市西区)が28日未明の終電発車後に引退し、109年の歴史に幕をおろす。国の登録有形文化財に指定された駅舎は、2027年度に完成予定の新駅舎のエントランスとして再利用される。 「長い間ありがとう。お疲れ様でした」。27日午前、地元住民によるお別れセレモニーがあり、駅を管轄する岡本安善・泉大津駅長(59)が駅舎に一礼した。地元自治連合会長の田中正史さん(80)は「私たちのシンボルであり誇り。券売機や改札はなくなり駅舎としての機能は終わるが、きれいになって戻るのが楽しみ」と話した。 駅は堺市の連続立体交差事業で高架化される。28日の始発から隣接する仮駅舎が使われる。いまの駅舎は解体せずに「曳家(ひきや)」という工法で駅前の広場に約30メートル移動。再利用されるまで、市民の交流の場にすることなどを検討している。 駅舎は東京駅丸の内駅舎の設計で知