日本が朝鮮半島を植民地とした「韓国併合」から100年になるのを機に、日本政府の対応が注目されています。日本が首相談話を検討していることについて、「新たな韓日関係を開くための賢明な判断に期待する」との韓国外交関係者の発言も伝えられています。「併合100年」で、いまなぜ、何が問われるのでしょうか。(近藤正男) 「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く」 石川啄木が「韓国併合」のニュースを聞き、やがて来る冬の時代の厳しさを歌にこう託したのは、1910年のことです。そこから1945年8月、日本帝国主義が敗北するまでの35年間、朝鮮半島は日本の植民地支配に置かれました。 日韓間でいま懸案となっているのは、日本政府がいまだに併合条約は「有効に結ばれた」「法的には合法」という解釈を改める立場にたっていない問題です。 日本政府は戦後も一貫して韓国併合の正当性を主張しました。植民地化の根拠となった