建設された96年前の姿を今に残すアルピコ交通上高地線の新村駅旧駅舎(長野県松本市新村)が、老朽化のため21日から解体されることになった。 20日、新村駅で行われる「上高地線ふるさと鉄道まつり」で、駅舎内の最後の公開が行われた。 アルピコ交通によると、旧新村駅は、木造平屋で床面積約130平方メートル。前身の筑摩鉄道島々線(松本―新村駅間)が開業した1921年当時の様子を伝える、最後の駅舎だ。2012年には隣に建てられた現在の新村駅に交代したが、地域住民らの希望で、駅舎が保存されていた。 旧駅舎正面には車輪のように見える「筑摩鉄道」の社紋が飾られ、ひさしにはツバメの巣の跡も何か所か見られる。今も駅舎の撮影に訪れる鉄道ファンは少なくないという。しかし、大雪による駅舎倒壊の恐れや防災上の問題もあり、同社は2月、地域住民などと協議し、解体を決めた。
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