ヘリパッド建設やオスプレイ強行配備に反対する沖縄本島北部・東村高江の住民たちの闘いを描いた『標的の村』、そして美しい海を埋め立てて巨大な軍港を備えた新基地が造られようとしている辺野古での人々の戦いを描いた『戦場ぬ止み』など、ドキュメンタリー映画を通じて、沖縄の現状を伝えてきた映画監督三上智恵さん。今も現場でカメラを回し続けている三上さんが、本土メディアが伝えない「今、何が沖縄で起こっているのか」をレポートしてくれる連載コラムです。不定期連載でお届けします。 第60回 自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長~沖縄県、高裁で国に敗訴~ 沖縄県の敗訴は織り込み済みだった。そこには特段の感傷などない。 判決を出した多見谷寿郎裁判長は、これまで9割がた体制寄りの判決を下してきた「実力」を買われ、あからさまな人事異動でこの裁判にあてられた人物だ。2013年の成田空港訴訟でも住民の訴えに耳も貸さずに、土地の明け渡