「PPAP」で世界を席巻しているシンガーソングライターのピコ太郎さんを見て、正直、驚いた。2016年にもなってパンチパーマの歌手が支持されるなんて。 実は、パンチパーマは全国的には「絶滅危惧種」だが、なぜか沖縄で生き残っている。そのため、筆者は精力的に取材をしていた時期があり、ピコ太郎さんの髪型に目を奪われたのだった。すでに沖縄では、「ピコ太郎さんと同じ髪型にしてほしい」とパンチパーマをオーダーする20代もいる。沖縄の男性パーマの変遷をひもといてみる。 沖縄のパーマの歴史沖縄では戦後、理容免許は琉球政府が発行した。沖縄県内の理容師の技術が乏しい中、本土から講師を招き、伝授された髪形の一つが、当時1万円前後と高値の男性用パーマだった。 1960年ごろの本土では、ヒッピーのロングヘアが流行し、理容室の利用回数が激減。客を呼び戻そうと力を注いで開発した技術が、大仏の髪形に似た細かいパーマヘアだっ