「分人」再検討 本書は平野啓一郎が自著の小説である『ドーン』で描いた「分人(dividual)」という概念について、著者自身の自伝的な要素を含めて一般に向けて解説した書籍である。 ドーン (講談社文庫) 作者:平野 啓一郎講談社Amazon すべての間違いの元は、唯一無二の「本当の自分」という神話である。そこで、こう考えてみよう。たった一つの「本当の自分」など存在しない。裏返して言うならば、対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」となる。 私とは何か 「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) 作者:平野啓一郎講談社Amazon 「分人」はキャラやペルソナといった「本当の自分」を隠して複数の人格を演じるという従来のロールモデルと異なることが強調される。むしろ、この「本当の自分」にまつわる煩わしさが、そもそも不要であるという論考である。「分人」には以下の様なルール設定があると理解
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