不倫をしたことで過剰な非難を受けている芸能人や有名人に対して、特別悪い感情を抱いたことは一度もなかった。ただ、気の毒だなとおもいつつ、スマートニュースを眺めていた。綺麗ごとだけじゃ生きてけないことを、その人たちは知っている。ずーっと同じ体じゃ飽きるだろう……生きてる間に、どれだけの違いを楽しめるかを追い求めたほうが、面倒くさい一人の感情に縛られたままで灰にならずに済む。つまらない、マンネリのセックスだけに閉じ込められて人生を終えるなんて、生きてるとはおもえない、一度でもその楽しみを知ってしまったなら。 見知った顔がぐるぐると巡り合うだけの、閉ざした田舎の片隅で、歳をとった自分に声をかける男など誰もいない。代わりに声をかけてくるのは、ばあさんばかりだ。スーパーでバターを選んでいると、見知らぬばあさんが背後から「チューブのほうがええ」と話しかけてきた。 つまらない繰り返しの日々なのは、自分に恋