「コンビニエンスストアのあるべき姿は、ITを中心とした仕組み産業だ。これまで小売業が進めてきた現場任せの仮説・検証では、社会の変化に機敏に対応して需要をつかんでいくことはできない」--。ローソンの新浪剛史代表取締役社長CEO(最高経営責任者)は、こう語る。そして2010年、新体制を本格始動させた。市場の変化に俊敏に対応する情報活用組織に変わるべく、IT活用を軸にした変革を進める。 ローソンは2009年3月、「PRiSM(プリズム)」と呼ぶ全社業務改革活動に着手した。PRiSM構想の下で2010年2月の全店稼働を目指し、約400億円を投じてPOS(販売時点情報管理)システムの入れ替えなどのIT投資を進めている。 ただし、IT投資は表面的な変化にすぎない。PRiSMの本質は、「現場任せの仮説・検証」から、「本部・加盟店が一体となった戦略的な情報活用」への変化にある。そして、この変化を可能にして