連邦債務の法的上限引き上げを巡る与野党の協議が難航し、米政府が一時的なデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が高まっている。そのとき、マーケットや経済にどのような影響が及ぶのか。一部で指摘されているようなリーマンショック並みの信用収縮は起こるのか。現在はエコノミストとして活躍するクリーブランド連銀の元総裁、リー・ホスキンス氏に聞いた。 (聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子) ――債務上限の引き上げがなければ、米国債の元利払いに支障が生じるといわれる8月2日が目前に迫っている。オバマ大統領と民主・共和党の議会指導者の協議がまとまらず、デフォルトに陥る危険性はどれくらいあるのだろうか。 W・リー・ホスキンス(W. Lee Hoskins) 元クリーブランド連邦準備銀行総裁。フィラデルフィア連邦準備銀行のエコノミストなどを経て、1987~91年クリーブランド連銀総裁。当時より熱烈なゼロインフレ(物価安