原子力政策のあり方を議論している原子力委員会の小委員会は十九日、どのくらい原発を稼働させ、使用済み核燃料をどう処分するとコストはどう変わるのか試算を公表した。二〇二〇年に原発をなくせば、三〇年までにかかる費用は約七・一兆円にとどまり、原発を動かし続けた場合より、核燃料サイクルに関連する総費用は安いとの結果になった。原発ゼロを含めたコスト試算は初めて。 小委では、(1)使用済み燃料を全て再処理(2)再処理はせず全て直接処分(3)両者を併用-の三つのシナリオを検討。それぞれに、総発電量に占める原発の割合を35%、20%、0%と仮定した場合の費用を算出した。 その結果、シナリオと原発の割合の全ての組み合わせのうち、最もコストが少なかったのは、二〇年に原発をゼロにし、核燃料サイクルをやめる道。三〇年までに七・一兆円がかかり、巨額の資金を投じてきた再処理施設などをあきらめることを意味する。 直接処分
東日本大震災の復興財源を確保するため、与党内で日銀が国債を直接引き受ける案が浮上している。だが、国債の日銀引き受けが戦前に行われた際には、通貨の増発により急激なインフレを招いた経緯がある。そのため、閣僚らは一日、この「禁じ手」の火消しに躍起となった。 (桐山純平) 「政府が検討している事実はない」。野田佳彦財務相は会見で、国債の日銀引き受けをきっぱりと否定した。前日の国債市場では、この与党案が伝わると、財政規律の崩壊懸念で国債価格が急落。野田財務相は「市場がどう見ているかは一目瞭然だ」と語気を強めた。与謝野馨経済財政担当相も嫌悪感を示し、「政府と日銀は信認を失う」と持論を述べた。 国債の日銀引き受けが与党内で台頭する背景には、三月末の国債残高が六百四十二兆円に達した厳しい財政事情がある。そのため、日銀が政府の言いなりに国債を直接買って紙幣を刷れば、復興財源を簡単に賄えるという算段だ。
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