不思議な思いで眺めた2月5日の朝刊各紙だった。すでに「小沢氏不起訴」を報じた毎日新聞は「朝青龍が引退」、産経も同様の生地がトップニュースになっている。こうしてマスメディアから次第に「小沢疑惑」は雲散霧消していくのだろうか。 その5日の午後、著名な政治ジャーナリストが、会うなりこう尋ねた。 「小沢一郎不起訴を朝日、毎日、共同に流したのは、樋渡だって、ホント?」 いまや事件通でなくても知っている検察のトップの名だ。そんな具体的な名前がメディアの側から挙がっていること自体に驚かされた。実際は、ぶら下がりと呼ばれる、各社の取材に見通しを答えたというのが真相のようだ。だが、昨年の西松建設事件以降、「小沢一郎VS検察」の図式が、どれほど喧伝されたであろうか。年が明けると「最終戦争」の物々しい4文字がメディアを賑わす。 「心は熱く、頭は冷静」であるはずのジャーナリストたちが、こぞって「小沢贔屓」