「脱官僚」のキーワードは、民主連立政権が2009年に誕生する大きな原動力になった。しかし民主政権は、早くも官僚、なかでも財務官僚に屈服したとの見方も出ている。「官庁中の官庁」と称される旧大蔵、現財務省の力の源泉や、そこに勤務する人たちの実態はどのようなものなのか。元財務官僚で安倍政権の内閣参事官も務めた、政策工房会長、高橋洋一さん(54)に3回シリーズで話を聞いた。 「我ら富士山、ほか並びの山」 ――財務省は「官庁中の官庁」と言われています。内部の人はどう受け止めていますか。 高橋 内部でもそう言っています。「我ら富士山、ほか並びの山」という言葉もあります。 ――そうした言葉が生まれるのは、持っているパワーゆえなのでしょうか。 高橋 国家財政を扱っている、という仕事から来る自負心でしょう。予算の「査定」、財政法上「必要な調整」というのですが、ここに力の源泉があります。 ――世界の財