欧米諸国と比較して、日本の物価上昇力の弱さが目立つ。2%物価上昇を目指す日本銀行の金融政策や為替動向にも影響する可能性がある。 日本の4月の消費者物価指数(CPI、総合)は前年同月比0.4%低下と7カ月連続のマイナス。携帯大手各社による通信料値下げなどが影響し、低下幅は4カ月ぶりに拡大した。 米欧ではエネルギー価格の上昇や財政出動による景気回復観測、新型コロナウイルスのワクチン普及期待などを背景にインフレが加速した。米国では4.2%上昇と2008年以来の大幅な伸びを記録し、ドイツでは2.1%上昇と19年以降で初めて2%を超えた。 いちよし証券の愛宕伸康チーフエコノミストは、日本は米国のように原材料価格の上昇分を消費者へすぐに転嫁することにはならないと指摘。「日本企業は頑張ってコスト上昇を吸収する傾向がある。価格を上げることで需要が逃げて競争相手に負けることを恐れ、周りを見ながら動かないとい