「日本企業には優れた技術があるが、マーケティングのノウハウがないために海外企業に負けてしまう」という解説がよく聞かれ、書店にはマーケティングに関する書籍があふれている。また、マーケティングと聞くと華やかな職種というイメージも強く、就職活動中の学生の間にも志望する向きが強いようだ。 前回の本連載で「顧客満足度」について解説したが、企業は顧客だけではなく、当然他社の動向も気にしているはずだ。そこで、今回はマーケティングにおける「競争」について、立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に解説してもらった。 二番煎じでも追いかけないと取り残されてしまう ――競争への対応を怠ると、どのような事態に陥るのでしょうか。 有馬賢治氏(以下、有馬) 他社が魅力的な新製品を売り出すと、当然相対的に自社製品の売上げは下がります。それを挽回するために、企業はその新製品のウリを模倣した製品を自社でも展開して、あとを追おうと