五十嵐仁『労働再規制』 池田信夫が作った「読んではいけない」という「反書評」(というたいそうなものではなくただの悪口。ないしは人格攻撃——後述)のリストの中にあったのでさっそく読んでみた。「絶対に読むな」とか「絶対見てはいけない」とかいわれたら、誰でも読みたくなるだろ。 池田が悪口を並べながら、端無くも「規制改革会議と厚労省の官僚の対立はおもしろい」とつい述べてしまわざるをえなかったように、本書は「おもしろい」。こんなに本があふれている時代に、「おもしろい」といえる箇所が少しでもある本がどうして「読んではいけない」のか理解に苦しむ。池田先生も素直じゃないねえ。「おれにもちくま新書で書かせて!」「おれにも研究所の所長ポストを!」と言えばいいのに。信夫ったら、素直じゃないんだからぁ。紙屋研究所の副所長くらいにならしてあげるよ。 さて本書であるが、労働者派遣法の改正案が出されたことに見られるよう