それは民主主義の危機だった。#1に続き、知事の考え方を聞く。(全3回の2回目/#1、#3を読む) 意思決定を委ねてしまったら、機械が作る未来がやってくる 「スタンリー・キューブリックが製作・監督し、1968年に公開されたアメリカ映画『2001年宇宙の旅』をご存じですか」。平井知事が切り出す。 「HALというコンピュータが宇宙船を支配しようとした物語です。主人公達はHALをだまし、コンピュータが描いたストーリーとは別の展開になっていきます。映画が公開された当時は荒唐無稽なSFでしたが、今はどうでしょう。あえてHALに従おうとする風潮があるのではないでしょうか。意思決定をChatGPTに委ねてしまったら、我々が作る未来じゃなく、機械が作る未来になってしまいます」 疑問が膨らみ始めたのは、「議会答弁など様々な用途に使えるということが、社会でワーっと流れ始めた」からだった。 議会は地方でも国でも人