映画史に燦然と輝く傑作『ゴッドファーザー』が公開から50周年を迎えた。本作がもたらした名声と呪縛を、名優アル・パチーノが米紙「ニューヨーク・タイムズ」に激白した。 宝くじに当たったようなもの アル・パチーノ抜きの『ゴッドファーザー』は想像しがたい。パチーノは腐敗した家族の出身でありながら立派な戦争の英雄となったマイケル・コルレオーネを演じたが、その自制を効かせた演技は、映画の最初の1時間はほとんど目につかないほどだが、ついに存在感を発揮すると、徐々にコルレオーネ一家の犯罪とその後の映画の展開を支配していくことになる。 しかし、『ゴッドファーザー』がなければ、アル・パチーノもまた存在しなかっただろう。 フランシス・フォード・コッポラ監督がパラマウント・ピクチャーズの意向に逆らって、マフィア世界を描いた大叙事詩における内省的な王子役として彼の起用に奮闘したとき、アル・パチーノはニューヨーク演劇