「直葬」と呼ばれる形態が増えているが… 「ちゃんと葬儀をしておけばよかった、どうしてやらなかったんだろう、という後悔の声を聞くことが多くなりました」 葬儀に関するポータルサイト「いい葬儀」などを運営しライフエンディング領域に詳しい鎌倉新書のPR室室長・西本暢(とおる)さんが言う。 宗教的な儀式を行わず火葬のみで済ませる「直葬」と呼ばれる形態が増えてきたのは2000年ごろ。経済的事情や宗教観の変化もさることながら、お布施や戒名料などの料金体系がブラックボックス化していたことに違和感を持っていた人も多かった証左だろう。メディアで取り上げられるとともに急速に増え、関東では20%以上が直葬という調査結果もある。 だが、何事も行き過ぎれば、その反動がくる。 人は誰でも、大切なものを喪失した場合、悲嘆(グリーフ)といわれる心身の反応が生じる。日常生活に支障を来たすような強い喪失反応を伴う悲嘆は、一般的